中国高鉄のチケットの買い方の話をする



普段京都(もしくは関西)ネタばかり書いているくせに、いきなり中国の話とはこれいかに?と思われるかもしれないのですが、ご縁があって、2023年4月末ごろに中国に行ってきました。


当時、中国への入国規制自体はおおむね解除されていたものの、日本からの直行便はまだ完全復活には至っておらず。都市にもよりますが週1〜2便しか飛んでいない&とにかく高い、という状況。どの航空会社も往復10〜20万が当たり前で、とても手が届かない……。色々と調べた結果、日本から香港に飛び、香港から高鉄で本土入りするのが一番確実でタイムロスが少なく、費用面でも優しそう、となったのですが、高鉄のチケットってどうやって買うのさ……?


高鉄を外国人、それも旅行者が利用したい場合の手配は結構複雑というか、情報が錯綜していた時期が長かったような気がします。中国鉄路12306のウェブサイトから買えるとか、外国人はやっぱり買えないとか*1、窓口で直接買うのは長蛇の列覚悟、などなど。プラス今や中国ではスマホ決済(微信支付、支付宝)が主流で、国際ブランドのクレジットカードの通用度が低いという決済の問題も重なり、チケットを事前にオンラインで確保することは至難の技でした。


とは言っても、見知らぬ土地であたふたするのは心理的にかなりしんどいし、防犯的な意味でもなるべく避けたいので、できれば現地調達は回避したいところ。



渡航前に色々と調べてみた結果、2023年的な結論がこちら。

結局、日本在住の日本人旅行者なら、Trip.comが一番楽なのでは?


Trip.comとは、中国の旅行予約サイト携程旅行の国際版です。一時期Ctripという名称で運営されていたのですが、Trip.comに変更になり、そのまま定着した模様。


アプリも出ています。個人的にはアプリの方が使いやすい印象。


Trip.com (トリップドットコム) - 予約アプリ

Trip.com (トリップドットコム) - 予約アプリ

  • Trip.com Travel Singapore Pte. Ltd.
  • 旅行
  • 無料



旅行サイトゆえ、フライト・ホテルの予約がよく広告で出ていたりするんですが、中国の鉄道の乗車券も取り扱っているのです。さすが中国発。


というわけで、Trip.comを使った予約の仕方はこんな感じです(といっても超簡単ですが……)。




まず、トップメニュー。航空券やホテルに比べてアイコンが小さいですが、ここで「列車」を選択。




乗車日・出発地・目的地を入れて検索。「高速鉄道のみ」をチェックしておくと高速鉄道のみが検索結果に反映されます。



これは試しに「香港西九龍→広州」線で検索してみた結果。
出発時刻・到着時刻・最安値(二等座の価格)、列車番号・所要時間が一覧でずらっと出てきます。広州市には高鉄駅が2つありますが、今回は特に指定せず。




同じ出発駅・到着駅でも所要時間がかなり違うぞ?というのは、道中の停車駅が違うからです。途中駅で下車する方はよくよく確認してから予約したほうが良い。



もちろん元の価格は人民元ですし、Trip.comで予約する場合は元値+Trip.comの手数料がかかるんですが、きっちり日本円に換算&全て込みで値段を表示してくれるので、支払うのはこの表示価格だけでOK。あとあと追加されたりすることはありません。これは地味にありがたい仕様。


乗りたい列車をタップすると、予約画面へ。
二等座以外に乗る場合の価格もここで見られます。二等座は基本的に3席-2席、一等座は2席-2席の配置のようです。プレミア、ビジネスはそれぞれ日本でいうグリーン車グランクラスのようなものかと。詳しくは後述しますが、機内持ち込みサイズを超える大きさのスーツケースを持って行くなら、一等座(以上)がおすすめ。




予約画面で希望座席の選択もできます。が、これはあくまでもリクエストとのことで、実際その通りになるかどうかは運次第*2

乗車時のTips

ここからは実際に乗るときのあれこれ編です。

・中国の鉄道駅は乗車前に荷物検査+身分証の確認(eチケット時代、乗車券を兼ねているので……)が必須です。外国人の場合パスポートでOKなのですが、現地の方と同じように完全自動でゲートを通過できるわけではなく、係員の方のチェックが必要な場合がありました。念のため係員の方が常駐しているゲートに並んでおくのがおすすめ。


・プラットホームに入れるのは、乗車する予定の列車が発車する直前(だいたい15分前くらいから)のみで、ホームに入るのにもう一度チケット(を兼ねた身分証)のチェックがあります。ここでも係員の方がいるゲートに並んでおいたほうが何かとスムーズ。


・ホームに降りたら、車両番号をもとに自分の座席のある車両を探して乗り込みます。日本の新幹線ホームのように「ここには何号車が停まります」的な表示は恐らくなかったように思うので、地道に車両を見て探していきます。


・内装は日本の新幹線とかなり近いのですが、二等座のシートピッチは新幹線の普通席よりも若干狭めのように感じました。海外旅行サイズのスーツケースを座席に置くのは厳しいです。
一応、デッキの部分に大型の荷物を置けるスペースも設置されてはいたのですが、かなり小さくてスーツケース2〜3個で満杯では……?という感じでした*3成田エクスプレス関空特急はるか、香港AELのようなものを想像していると「おぉ……」となります(笑)置いた荷物をロックできる仕組みもなく*4、座席に座ってしまうとよほどデッキに近い列でもないかぎり目が届かないので、あまり利用したいものではなかったです。
必然的に荷物を座席に持ち込むことになることが多いと思うので、余裕を持った座席を選ぶことをおすすめします。


・荷物関連でもうひとつ。高鉄には一応荷物のサイズ規定があります。3辺の合計が130cm以下、重量20kg以下(個数は不問)だそうな。飛行機ユーザーの方ならお気づきだと思うのですが、これは航空便の無料受託手荷物の規定よりも小さいサイズということになります。
……が、正直荷物の大きさ・重量で止められている人は(今のところ)見たことがないです。乗ったのが香港⇔広州という明らかに飛行機から乗り継ぐであろう人が多い区間だからかはわからないですが……。






おまけ:中国旅行にはTrip.comが最強?


というのも、記事前半でもちらっと書きましたが、中国は今やキャッシュレス決済の普及が著しく、それもクレジットカードを通り越してコード決済が主流。本当に何もかもスマホで支払っていてちょっとびっくりするレベル。
そして国際ブランドのクレジットカードの通用率が本当に低い。使えても銀聯のみでそれ以外はだめとか、中国国内で発行された銀聯じゃないとだめとか、そもそもクレジットカードは一切使えないとか全然珍しくない。まだ現金のほうが使える……というなんとも不思議な状態なのです*5



こうした決済事情に加えて、中国では施設の入場券などもオンラインで事前購入(支払いはもちろんスマホ)というのが普通の模様。中国の身分証がなく、微信支付を使えない観光客にはかなり厳しい状況が続いていました。


最近、微信支付に国際クレジットカードを登録できるようになったというニュースがありましたが、現地で本当に使えるかどうかは(私は)未確認ですし。以前から支付宝は旅行者でも使えるシステムがあったりしたのですが、微信支付しか受け付けないというところも一定数あるので、やはり厳しかったのですが、Trip.comで入場券の取り扱いがある施設やアクティビティもあるのです。



たとえば、これはTrip.comで上海の観光スポットを検索してみたもの。





施設名のところに値段が併記されているスポットが何箇所かありますね?こうなっているところはTrip.comを通じてチケットの購入が可能。観光スポット以外にも、現地での移動手段やSIMなども取り扱っているようです。
kkdayKlookなど、同じようなサービスを提供している&アジア圏に比較的強そうな会社と比較してみるのもいいかも。




ただし、Trip.comであまりおすすめできないものもあって、それは航空券の予約です。とくに海外便は欠航や変更も国内便に比較すると多いです。これは航空会社の問題、あるいは天候など不可抗力な要素の問題だし、あるは程度仕方のない話。


それなら何が問題なのか?というと、それはトラブルが起きたときの対応。航空券を販売代理店から購入した場合、振替、返金などの交渉相手は第一に代理店になるケースがほとんどですが、海外代理店の場合はこの交渉で苦労させられるケースがとにかく多い!Expediaのトラブル対応の不評はかなり有名になってしまっているけれど、*6、Trip.comでも同じような問題に遭遇することはままあるということです。


わたしは航空券は航空会社から直接買うか、航空会社が提供しているパッケージツアー経由で取るかしかしない人なので*7、Trip.comで航空券も買うか?というと買わないのですけど、過去に複数回Trip.comから航空券を買った(しかもLCC)ことがある知人は、全部問題なく乗れたと言っているので、ここはもはや運の領域……。しかしわたしは自分の運にそこまで自信がないビビリなので、今後も大人しく公式から買うと思います。



以上、もはや何の話をしたのかわからなくなってしまいましたが、どなたかのお役に立てれば嬉しいです。

*1:最近は公式サイトから購入できるようになったらしいとも聞きますが、わたしはまだ試せていません

*2:筆者は行き帰りともに2列席を希望しましたが、どっちも3列席になりました。悲しみ。

*3:二等座車両の場合。一等座ではどうなっているのは未確認です。

*4:自分でワイヤーロックを持ち込んでくくりつけるくらいかと。ただ乗り降りの時にかなりスムーズにロック&解除する必要がありそう。

*5:といっても高額紙幣はおつりが足りないなどで断られることもあります。小銭はないの?と聞かれることもあった。

*6:姓名が逆で予約されるトラブルとかもはや何年越し?ってぐらい年季入ってますよね……

*7:JALダイナミックパッケージとか、キャセイホリデーもか。